日本の歴史や特有の文化、興味はあるけどどこから手をつけていいかわからない。
でもその辺の内容って本を読むのは難しそうだし、ちょっと面倒。
そんな時は、漫画をとっかかりにするのも手です。
日本の歴史・文化が学べる漫画3選
この記事では、漫画が好きで買いすぎてKindleのメモリをいっぱいにし、マンガモデルに買い替えせざるを得なかったほど漫画が好きな私が、日本の歴史・文化が学べる漫画3つをご紹介します。
漫画を読んだ後、より理解を深めるためのおすすめの行動も書いていきます。
3月のライオン(羽海野チカ):将棋
ハチミツとクローバーの作者でもある羽海野チカさん作の漫画です。
漫画紹介
この漫画の主人公は中学生でプロ棋士となった桐山零。
家族と死別した彼はプロ棋士の家族に引き取られ、孤独感を感じたまま成長してきた。
そんな桐山が棋士として葛藤しながら成長する姿と、たまたま知り合った慎ましく暮らしている祖父と孫の3姉妹の川本家と交流する中で人の温かさに触れていく、というストーリー。
桐山くんの周りの人棋士や先生もみんな味があって、時にそういう人たちにスポットライトが当たることもあります。
学べること
将棋・棋士・将棋界のこと
何と言っても将棋界のこと!
これを読むまで全然知りませんでした。
どのようにタイトルなどが決まって行くのか。普段は何をしているのか。
そして、棋士たちはどのような思考で生きているのか。
単行本には実際の棋士の方が書いているコラムのようなものも載っていたりして、とても勉強になります。
人間の孤独や強さ
桐山くんは最初とても孤独な存在で、どこか人間味も薄い感じだったけれど、川本家のメンバーや担任の先生に優しくされるうちに、どんどん人間味をとりもどしていきます。
川本家の次女ひなたのいじめを主題にしていた時期もあり、読み進めるのが辛かったのですが、彼女の強さにひとつの解を得た気持ちになりました。
他にも、親友や兄貴分などとにかく書ききれないくらいの人間ドラマがあって、全部読んでほしいです。
おすすめの行動
将棋セットを買う
私はこの漫画を読んで、将棋セットを買いました笑
先の先の先を読む必要があるので、もちろんかなり頭を使います。
現在1歳の子供がもう少し大きくなったら一緒にさしてみようと思っています。
将棋を観る
実は将棋の試合ってテレビでもよく放映されています。
わたしにはまだ戦略や棋士の意図を将棋盤から読み取ることができないので難しいのですが
父や夫はよく集中して観ていて、すごく面白いらしいです。
大奥(よしながふみ):江戸の歴史・文化
きのう何食べた?のよしながふみさんの漫画です。
※ちょっと大人向けかもです
漫画紹介
男女逆転大奥。がコンセプト。
男だけが罹る流行り病で、男子の人口が極端に減った江戸時代初期、家光の時代の日本。
これにより、巷では力仕事も含めて女性が働き手や家長となることが増え、男子は家の中で労働もせず大事に育てられる存在になっていきます。
紆余曲折あり、江戸幕府存続のためにある女性が将軍家光となり、その後も女系が続いていきます。このため、大奥も男性が集められる場所となるのです。
設定はぶっとんでいるのですが、実は起こっている出来事は実際の史実に忠実で、それを成り立たせてしまうよしながふみさんの力量がすごいんです。
学べること
江戸時代に起こった出来事
江戸時代という時代だけを切り取っても、政治のゴタゴタや事件も多いです。
男女逆転の部分は違えど、”起こった出来事”という部分では史実と同じなので、歴史を学ぶことができるのです。
例えば綱吉が出した生類憐れみの令。
実際の動機は漫画とは異なりますが、このような令が出されたというのは事実です。
そしてこの、”本当の歴史との違いの部分はどこなのか”と気になってしまうのも、江戸を学ぶ強い動機になります。
気になってしまって、ここは本当だったんだ!でもここは男女逆転の設定の部分が色濃いからここは違うな、という風にどんどん詳しくなって行きます。
江戸の文化
江戸の文化を学べるところもいいところです。
大奥の仕組みもそうですが、鰻を食すところや、芸で生きる人々などの描写も出てくるので、江戸時代の食文化や華やかな芸能についても学ぶことができます。
おすすめの行動
江戸・東京博物館に行く
江戸東京博物館は私のお気に入りの博物館のひとつです。
江戸の文化から始まり、近代まで、かなり詳細に展示がされていて、まわるだけで結構ヘトヘトになります。
実寸大で再現した展示なども多く、また体験できるブースも多いのでイメージがしやすく、お子さんでも楽しめる作りになっています。
↓大人なのに楽しむ筆者
江戸の文学・絵画を楽しむ
前述の江戸東京博物館もですが、浮世絵を所蔵している美術館は多いです。
すみだ北斎美術館や東京国立博物館などが有名どころを揃えているのでいいかと思います。
また、人気があるため、各地の美術館等で特別展が開かれていることが多いです。
最近はコロナでお出かけが厳しいですが、収まったら行ってみたいですね!!
江戸時代の文学も東海道中膝栗毛や南総里見八犬伝などが翻訳されて書店で買うことができるので、当時の笑いや感覚に触れることができます。
↓東海道中膝栗毛。江戸時代も楽しそうでいいなあ。。
大奥と同じよしながふみさんのきのう何食べた?もおすすめです。ドラマでハマりました・・・
昭和元禄落語心中(雲田はるこ):落語
雲田はるこさんの漫画です。
漫画紹介
気難し屋で弟子を取らない伝説の噺家、八雲のもとに弟子入りを志願してきたのは刑務所を出所したての”与太郎”。
この与太郎のまっすぐな心が、周りを動かしていきます。
途中で八雲が若い頃の話として、一緒に過ごした今は亡き落語家の親友の助六と、その妻で一時期八雲とも恋仲だったみよ吉、そしてのちに八雲が育てることになるその二人の娘小夏とのエピソードが描かれます。
作中で時代が移り変わっていくので、その時代時代での落語の見え方の違いも印象的です。
学べること
伝統を継承するということの重み
弟子を取らない八雲は、変わりゆく世界の中で伝統的な落語と一緒に心中しようとしています。
それに対し、新しい落語を目指し創作する落語マニアや女性でありながら落語をしようと模索する八雲の義理の娘の小夏。
それらの対比により、変化が激しく娯楽も爆発的に増えた現代において、”伝統芸能を継承していくこと”の難しさ、葛藤が浮き彫りになります。
最近は歌舞伎なんかもガンガン新しい取り組みをしていて(スターウォーズとか!)、すごい!と思う一方でいいの!?と思うことも増えましたよね。
伝統芸能に限らず、美しい形で消えていくのか、新しさを貪欲に取り入れていくのか、それらのことについて考えさせられます。
おすすめの行動
落語を見に行く
百聞は一見に如かず!
私はこの漫画を読んでどうしても落語が聞きたくなり、国立演芸場に行きました。
実際に見てみたら、ものすごく引き込まれて終わったときにびっくりしました。
映画を見ている時のように、噺に引き込まれて自分がどこにいるか忘れている瞬間がありました。
間違いなく舞台におじさんが座って話しているだけなはずなのに、それをしっかり両目で見ているはずなのに、頭はしっかり物語の中にいるんです。
緊迫した場面で息を止めている自分がいるんです。
これが”芸”なんだな、と感服しました。おすすめです。
落語を家にいながら聴く
なんとAmazon audible(オーディブル)で落語が聞けるんです!
歌丸師匠やたい平さんの落語やこども落語などを聞くことができます。
こちらから飛べるaudibleのページで”落語”で検索してみてください。